この日のU2は絶好調。最近のライヴDVDではボノのボーカルが苦しそうな場面が散見されたけど、そんな様子は微塵もなく、圧倒的なパフォーマンスをみせてくれた。後のTV出演で、ボノ自身が"Best show of my life"と語っていたが、それも納得。
加えて観客の盛り上がりも相当なもので、曲のサビの部分では必ずと言っていいほど大合唱が起こった。このレスポンスの素晴らしさには、ここは本当に日本か?まるで海外じゃないか、と思ったほど。日本では不人気といわれるU2だが、この日は「自分以外にもこんなに熱いU2ファンが大勢いるんだな」と確認できて、会場にいた皆は感動したんじゃないだろうか。
セットリストで嬉しかったのは"Walk On"を演ってくれたこと。できればフルバンドで聴きたかったところだけど、このアコースティック・バージョンも悪くない。逆に残念なのは"New Years Day"が無かったこと。今回、本当に一番聴きたかったのは"Original Of The Spicies"だったんだけど、オセアニアからのツアー再開後は全く演奏されてないので、はじめから諦めていた。この日のサプライズは、リリースされたばかりのベストアルバムに収録されている新曲"Window In The Skies"がツアー初演奏されたこと。それとラストが"One Tree Hill"だったことか。この曲大好きなんだけど、最終曲としては(直前のオセアニア公演では定番だった)"Kite"の方が良かったかなあ。やっぱり"I know that this in not goodbye"の言葉で幕を下ろして欲しかった。
ひょっとしてもう輸入版出てるかな?と思って仕事帰りにタワーレコードに寄ってみると、ありました。たった1枚だけ。
しかし90年代以降、U2(というよりボノか?)のパフォーマンスってやたらギミックが過剰なんですよね。"Pride"とか"Where The Streets Have No Name"なんかの定番曲は特にそう。永年同じ曲を演ってると照れもあるんだろうけど、ファンはそんな曲こそ楽しみにしてるんだから、もっと真っ当に演奏してもらいたい、と私は思います。
反対に最終曲”40”の演出が昔のままだったのは嬉しかったな。昔行った東京ドーム公演が思い出されて。
正直、このDVDに収録されてるセットリストにはあまり魅力を感じないんですが、バンドの公式サイトをチェックしてみると、今回のツアーはステージによって結構曲が入れ替わっています。噂されている来日公演が実現したら..やっぱ行ってみたい..かな?
しかし今回のアルバムタイトルだが、前作の"All That You Can't Leave Behind"以来、ずいぶん説明的な題名になってしまったという感が強い。アメリカ伝統音楽やテクノへの傾倒など、U2のサウンドは時代とともにかなりの変遷をみせたが、彼らのアルバムタイトルは初期の"Boy", "War"から近年の"Achtung Baby", "Pop"までシンプルで象徴的な題名が一環して使われてきたものだ。今作がU2らしくないと感じるのは、この辺にも原因があるのかも。(ずいぶん乱暴な分析だが)
WOWOWで放映された「REM ライヴ・イン・ジャーマニー」を見た。
内容は先日リリースされたDVDと同じもののようだ。(ただし数曲カットされている短縮版)
セットリストはインディーズ時代のヒットシングル"The One I Love"から最新アルバムからの"Imitation Of Life"まで、まさに新旧の名曲を網羅したファンには堪らない選曲だったが、個人的にはジム・キャリー主演の同名映画にも使用された"Man On The Moon"がこのライヴ一番の聴きどころで、実際たいへんな盛り上がりをみせた。
印象的だったのが時おり映し出されるオーディエンスの表情。みんな単純に熱狂しているだけでなく、アーティストに注がれる視線が何とも暖かい。このバンドのスピリッツの反映なのだろう。
こうなると来日公演が待ち遠しいが、日本での人気度を考えると実現は簡単でなさそうだ。このライヴでもわかるとおり、海外では絶大な動員力を誇るREMだが、過去の日本公演では武道館クラスのキャパでさえ空席が目立つのが現状。これでは招聘側も採算面で厳しいだろう。う~ん、何とかならないもんかな..