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ダニエラという女
    2007年 01月 20日
【シネサロン パヴェリア】
誰もが目を奪われる絶世の美女、ダニエラは飾り窓の中で生きる女。平凡で地味な男フランソワは意を決して、彼女に大胆な申し出をする。宝くじで当てた大金が底を尽くまで「僕と一緒に暮らして欲しい」と。交渉は成立し、夢のような二人の暮らしが始まる。だが、心臓の弱いフランソワには官能的なダニエラは刺激が強すぎる、と主治医であり親友でもあるアンドレに忠告されてしまう。

フランス映画の恋愛ものというと、観念的で抽象的な台詞のオンパレード、何が言いたいのかよくわからない映画が多い、というのが私の印象だが、これも例外ではなかった。

予告編の印象で、パトリス・ルコント的な、男視点のファンタジーを真面目に描いた映画だと想像していたのだが、実際は思いのほかコメディタッチ。後半はやたらドタバタして、正直、意図がわからない。
てっきり重要な伏線だと思ってた「主人公が心臓病」という設定も、途中で消えてしまったし。(最後の会話はいかにも辻褄あわせという感じで、笑ってしまった)

ダニエラという女@映画生活
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幸福のスイッチ
    2007年 01月 17日
【KBCシネマ】
和歌山県田辺市で電器店を営む父。儲けにならない仕事ばかり引き受けて、家族に苦労をかける頑固オヤジの誠一郎に反発した玲は、東京へと出てきていた。イラストレーターとしてデザイン会社に入社したものの、現実は厳しく、思うような仕事は任されない。上司からのダメ出しにキレて会社を飛び出してしまった矢先、田舎から姉が入院したとの知らせが入る。急いで帰省する怜だったが、実は入院したのは誠一郎だった。姉からの生活費カンパの条件につられ、父の入院中、電器店の仕事を手伝う羽目になったのだが..

先日観た『酒井家のしあわせ』で、「こういうホームドラマは食傷気味」と書いたばかりだが、またそんなホームドラマを観てしまった。類型的なお話ながら、破綻もなく、退屈せずに済んだという程度には面白かった..という感想も前と同じ。ちなみに、どちらの作品も若手の女性監督の手によるものだ。

しっかり者の姉を演じる本上まなみ、ちょっとジコチューな次女役にして主役である上野樹里はそれぞれハマリ役だが、オーディションで選ばれた演技初心者だという中村静香が、天真爛漫で要領が良い三女役を自然に伸び伸びと演じていて、一番光っていたと思う。

映画で描かれているように、大手メーカー系列の電器店は大型量販店に押されて、どこも経営難に陥っているのだが、ちょうど手元にある文庫本『ガイヤの夜明け 終わりなき挑戦』には、そんな「町の電器店」が毎年売り上げを伸ばしている実例が紹介されている。その売り上げアップの秘策というのが、映画の「イナデン」と同じく、こまめに周辺の民家へ御用聞きに廻り、ちょっとした修理や点検を無償で行ったり、使用方法の説明などにも快く応じることだという。高齢化が進行しつつある現在、このようなアフターサービスのニーズがますます増大していくという読みである。
映画では時代遅れと思われた沢田研二の経営方針も、実は理にかなっていたわけだ。

幸福のスイッチ@映画生活
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武士の一分(いちぶん)
    2007年 01月 17日
【ユナイテッドシネマ キャナルシティ13】
三村新之丞は近習組に勤める下級武士。藩主の毒見役という不本意な役目に嫌気がさしながらも、美しい妻・加世と中間の徳平と平和な毎日を送っていた。ある日、毒見の後、新之丞は激しい腹痛に襲われる。あやうく一命はとりとめたが、意識を取り戻した時は視力を失っていた。人の世話なしで生きられなくなった身を絶望し、一度は命を絶とうとしたが、泣きすがる加世のために思い留まった。再び平穏な日々が帰ってきたと思われたが、それもつかの間。新之丞は加世が外で男と密会しているという噂を聞く..

チャンバラや合戦シーンに興味を持てない私は、これまで時代劇は敬遠しがちだった。そんな私だが、美しい夫婦愛を謳いあげたこの作品は素直に心に染みた。

ここで描かれる夫婦の関係は(時代が時代なので当然ながら)男尊女卑的ではある。それでも主人公がどれほど妻を愛しているか、二人の平穏な生活がどれほど幸福なものか、ひしひしと伝わってくる。
また彼らの住まいも小さく粗末なものだが、隅々まで手入れが行き届き、清掃されており、伝統的な日本の美が感じられる。
翻って、ずっと立派な住居に住み、皆平等な人間関係が構築されている私たちの生活はどうだろう?映画の時代より本当に豊かだといえるのか?そんな事を問いかけられている気がした。

武士の一分@映画生活
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リトル・ミス・サンシャイン "Little Miss Sunshine"
    2007年 01月 06日
【シネリーブル博多駅】
アリゾナ州に住むオリーヴはとうてい無謀?なミスコン優勝を夢見る9歳のメガネ少女。彼女の家族は皆それぞれ問題を抱えて崩壊寸前だった。パパのリチャードは独自の成功論を声高に振りかざすが、自分自身は甲斐性ゼロ。家族を嫌って沈黙を続ける長男ドウェーン。ヘロイン常習の祖父は強烈な毒舌家。さらにはそこへゲイで自殺未遂の伯父フランクまで加わる始末。唯一の常識人であるママ、シェリルの孤軍奮闘も虚しく家族はまさにバラバラ状態。
そんなお騒がせ一家のもとに朗報が舞い込む。オリーヴがカリフォルニアで行われる「リトル・ミス・サンシャイン」コンテストへ繰り上げ参加できることが決定したのだ。問題だらけの彼らだが、こうして家族6人ミニバスに乗り込み、一路コンテスト会場を目指ことになった..

ダメ人間たちを暖かな視点で捉えた映画といえば、トッド・ソロンズの一連の作品をはじめ少なくないが、中でもこの映画の印象が爽快なのは、登場人物たちがウジウジと悩むのではなく、非常に行動的だからだろう。
出版の約束を反故にされそうになった親父は、約束の履行を迫るべく?見知らぬ若者に借りたミニバイクでハイウェイをぶっ飛ばすし(実際はテクテク走っているのだが)、最初「こりゃ一番の厄介者だな」と思われた自殺未遂の叔父(実は意外や常識人)が、受付時間に間に合わせるため、「リトル・ミス・サンシャイン」コンテストの会場目指して全力で疾走するシーンには思わず拍手喝采したくなった。

ラストのダンスシーンはちと演出過剰の気もするが(BGMが今では最もダサい音楽=MCハマーなのは笑える)、幼女に厚化粧させるミスコンを「悪趣味なもの」として否定的に描いている点は大いに賛同する。例のジョン・ベネのビデオを最初見たとき驚愕したが、あれがアメリカでは特殊な世界でないことがこの映画で解った。確かに、「幼女ミスコン」の周辺にいる大人たちに比べれば、この映画の主人公であるダメ人間たちの方がずっとマトモだし、魅力的でもある。

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酒井家のしあわせ
    2007年 01月 06日
【シネサロン・パヴェリア】
三重県の田舎町に住む酒井家は、父・正和、母・照美、兄・次雄、妹・光という家族構成。一見ごく普通の家庭だが、実は照美は再婚で、次雄は前夫の連れ子。次雄と光は父親違いの兄妹というちょっと複雑な関係だ。中2の次雄はそういう家族関係をちょっとウザク感じ始めていたりする。ところがそんなある日、正和が突然家を出て行くと言い出す。なんと、その理由とは..

29歳の初監督作品とは思えない上出来のホームドラマ..なんだが、どこにでもある家族の日常を淡々と描き、途中でちょっとした波乱あり..こういう邦画って最近多くないか? もともと、こういう映画嫌いじゃないんだが、それでも少々食傷気味なのは否めない。
この映画で出色だと思うのは、思春期のカッコ悪さというか、気恥ずかしい雰囲気がよく描けている点。ラストで、次雄が上着のジッパーを引き上げて顔を半分隠しながら見せる表情など絶妙だ。演じる森田直幸は見た目が小生意気そうだが、だんだん好感が持てるようになる。相手役の谷村美月は例の「海賊版撲滅キャンペーン」CMでミソをつけたが(個人的にそう思っている)、この映画見るとやっぱり光るものがあるね。

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