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Shall We Dance?
    2005年 04月 26日
【T-Joy久留米】
b0004063_8594771.jpg上映時間は1時間46分。日本のオリジナル版は確か2時間10分強だったので、約30分も短くなっています。それでいてスーザン・サランドン演じる主人公の妻の登場場面がかなり増えているわけで、必然的に他の登場人物、特に脇役のキャラクターが浅く..というか単純化されている感が否めません。オリジナル版には共感できるキャラがたくさんいたんですが、今作はその点でも物足りなかったですね。

このお話では「挫折したダンス教師が素人ダンサーたちの奮闘ぶりに触発されて、自らも再生の道を歩き出す」というサイドストーリーが非常に重要だと思うんですが、今回はこの部分に説得力が感じられませんでした。やっぱり、これは各キャラクターの描きこみに深さが足りないからでしょう。それに、ヒロイン役のJ.LOは見た目からしてあまりに情熱的すぎて、もともと適役ではなかったと思います。

...と、不満な点をあげるとキリがありませんが、それでも映画が進行するうちに、それなりに面白くなって、そこそこ盛り上がります。やはり元がよくできているお話なんですね。基本的にオリジナル版のストーリーをあまりいじらなかったのは正解でした。
でも、あのエピローグは余韻ぶち壊しという感じで、いただけません。ああいうのもアメリカ人好みというわけでしょうか?


Shall we ダンス?@映画生活
インファナルアフェアIII 終極無間
    2005年 04月 20日
【T-Joy久留米】
b0004063_22515018.jpg香港では2年前に公開のこの作品。一部で輸入版DVDが早くから入手可能だったことから、今回の第三部の出来はイマイチらしい..という噂を結構耳にしていたんですが、これがなかなか楽しめました。でも字幕で”2003年”と表示されても、もはや現在のエピソードって感じがしないのはイタいですよね。日本で第1作目がコケたのが誤算だったのでしょうが、配給会社は間髪置かずに2作目・3作目もさっさと公開すべきだったんじゃ?

今回は第1作の前後、2つの時間軸が交互に描かれるという構成。何でこんな手が込んだ作りにしたかというと、やはり1作目で死んでしまった人気キャラを再登場させるのが一番の目的(=興行上の配慮)なんでしょうが、ストーリーの進行と共に2つの時代が交差していく展開にキチンとしている点は巧いですね。

一方、主人公は「あちらの世界」に足を踏み入れてしまいました..って感じの終盤の展開は、正直言って釈然としませんでした。でもまあ、ギリギリ許容範囲といったところですか。
死んだはずの登場人物が一同に会する場面などは、「お前はデビッド・リンチか!?」と思わずツッコミを入れてやりたくなりましたが。

インファナルアフェアIII終極無間@映画生活
海を飛ぶ夢 "Mar adentro"
    2005年 04月 17日
【ソラリアシネマ】
b0004063_22582212.jpg「人間の死」をテーマの中心に据えていますが、逆説的に「生きることの素晴らしさ」を描き出している作品でもあります。シリアスな内容ながら、アメナーバル監督の躍動感さえ感じさせる力強い演出は、この種の映画に付き物の重さ・暗さを極力感じさせないものにしています。

ただショックだったのは、主人公ラモンが残した最後のメッセージ。「寝たきりの生活となったこの20数年間、楽しいことなど一度として無かった..」 私たち観客は映画で描かれるラモンと他の登場人物たちとの出逢いや交流に何度も感動させられるのですが、そのような出来事も含めて「楽しいことなど皆無だった」と彼は言い切るのです。ラモンは四肢麻痺の体でありながら多くの素晴らしい詩を創作しているように、知的で行動力を備えた人物。そんな彼にとって、自分の意思では一切の身動きもできないという障害は、やはり想像を絶する苦しみだったのですね。そんな「地獄のような毎日」の中では、第三者から見れば感動的な出来事の数々もたやすく埋没してしまう..ということなのでしょうか?

ちょっとばかりケルト風な音楽も印象的。と思ってたら、この音楽もアメナーバルの手によるものなんですね。何とも多才な人です。

海を飛ぶ夢@映画生活
トニー滝谷
    2005年 04月 17日
【シネテリエ天神】
b0004063_22512815.jpg現実世界のリアルさとメルヘンが絶妙に融合したと言ったらよいのか、まずは村上春樹の小説世界が破綻なく映像化されています。イッセー尾形と宮沢りえの芝居も立派なものだし、なにより坂本龍一の音楽が印象的。西島秀俊によるナレーションの耳障りの良さも相まって、なかなか心地よい余韻が残る作品でした。

ただし不満もあり。上映時間はわずか1時間20分。簡潔にまとまった作品には違いないのですが、素っ気無いというか、少々物足りない感じは否めません。
主人公のトニーは少年時代からずっと孤独な生活を送ってきた男。「1人でいることが特に寂しいとは思わなかった」というトニーですが、そんな彼も、好きな女性ができて結婚して、初めて「もう一度孤独になったらどうしよう」という恐怖に怯えることになります。結局、彼の恐れは現実のものとなってしまいます。再び孤独になったトニーはこの先の人生をどう生きていくのか..という点に私たち観客の関心は向かうのですが、その部分があまりにも短い。え、これで終わり!?という感じで映画は結末を迎えます。

原作は短編だし、小説ならこれでいいでしょう。短編小説とは物語で語られていない部分を読者の想像力で補完することを前提にしているものだと思いますが、これは短いとはいっても長編映画です。映画なら原作の内容に拘らず、もっと具体的なメッセージを観客に提示して然るべき。まあ、これは私個人の考え方ですが、いずれにせよ、きちんと幕が下りるような結末を観たかったな。

あと学生時代の主人公もイッセー尾形が演じていますが、これは別の若い役者を使うべき。長髪のズラをかぶった彼を見て、私は笑いを禁じえませんでした。彼が舞台で得意としている一人芝居なら、これでいいんですけどね。