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ボーン・スプレマシー "The Bourne Supremacy"
    2005年 02月 15日
【T-Joy久留米】

b0004063_21421120.jpg予告編でネタばれされているように、映画の冒頭でボーンは恋人マリーを殺害されてしまい、そしてこの事件をきっかけに、彼は2年間の雌伏を経てCIAへ反撃を開始することになります。
当然、彼の目的はマリーの復讐...と観客であるこちらは考えるわけですが、実はこれは脚本の巧みなミスリード。映画の後半でボーンの真の目的が次第に明らかになってゆきます。

そもそも、なぜ凄腕スパイであるボーンがミッション遂行を失敗し記憶喪失に陥ったかというと、実は暗殺標的のそばに幼い子どもがいたために殺害を躊躇してしまい、その隙に反撃を喰らってしまった..らしいということが前作で明らかにされていました。が、この設定にはどうも納得がいかなかった。常人ならともかく、“米国政府が3000万ドルかけて育成した人間兵器”がそんな人間的な感情に流されてしまうものなのか?第一、標的の傍に家族がいるかもしれないことなど最初から予測範囲だったろうに.. しかし今回、ボーンの真の目的が明らかにされる過程で、この前作から引きずっていた疑問にも映画は説得力ある回答を示してくれました。
今回のPART2のストーリーは原作を離れて、ほとんどオリジナルに近いらしいですが、この作劇の巧みさには心を奪われました。

ラストでニューヨークの雑踏を颯爽と歩き去ってゆくボーン。その直前の「懺悔」のシーンでモスクワの雪道を悲壮感たっぷりにトボトボと歩いていたのと対照的ですが、明らかに演出上の計算なのでしょう。そして前作に続いてエンドクレジットに流れるMODYの"Extreme Ways"が何とも最高!曲を変えないでくれて、個人的に本当に嬉しかった。
この結末を見るかぎり、次回はストーリー展開にも新機軸が期待できそうで、こうなるとPART3の公開が待ちきれませんね。願わくば、ぜひ次回はアメリカと同時公開して欲しいもの。今回のような、日本公開より先に韓国でDVDリリース(しかも日本語字幕・音声が選択可)などという愚は繰り返さないように。
最近観たBS・CS放映作品
    2005年 02月 11日
b0004063_2132189.jpg今月はあまり観たい映画が劇場にかかりません。今のところ、鑑賞予定に入れているのは「ボーン・スプレマシー」と「ライフ・オブ・コメディ」ぐらい。来月になると期待作が目白押しなんですけどね。
そんなわけで穴埋めというわけでもないんですが、最近WOWOWやスカパーでチェックした作品の寸評など載せてみました。

「バウンス koGALS」
これは女子高生版「アメリカン・グラフィティ」ですね。東京の街で出会った少女たちの1日を描いた作品で、ラストシーンはそれなりに情感が出ていて悪くないです。
一見無軌道で生意気なコギャル(死語?)たちですが、内面は素直で思いやりもある娘たちなんですよ..というのが作者の主張みたいです。しかし実際のところはどうなんでしょう?役所広司演じる妙にカッコいいインテリヤクザの描き方も含めて、この映画、ある種のファンタジーだと私には思えるのですが。

「クイール」
私は原作も読んでないし評判になったらしいTVドラマも未見ですが、この映画は良かったです。あざとく泣かせるのではない抑制された演出も好ましいし、小林薫をはじめ香川照之、寺島しのぶといった、決して派手さは無いけれど力のある役者を集めている点でも成功していると思います。あと小林薫の娘を演じてるのは「ごめん」の子役なんですね。
しかしネット上のユーザーレビューをチェックすると、この映画もっぱら不評みたいです。TVドラマ版と比較して「ストーリー展開が駆け足..」、「あのエピソードが描かれていない」といった意見が多数を占めていますが、正直言って、それって無いものねだりでは?

「みんなのいえ」
全体として予定調和的なコメディですが、破綻もなく最後まで安心して観られる出来ではあります。田中邦衛の役はちょっと狙いすぎという感が否めないし、あちこちにフジテレビ絡みのタレントがカメオ出演してるのも個人的には目障りでした。反対に女子アナ出身の八木亜希子は意外に自然な演技で、思わぬ拾い物という感じでした。

「犬と歩けば チロリとタムラ」
「クイール」は盲導犬のお話でしたが、こちらはセラピー犬”タムラ”(何と福岡で拾われたんだと)が主人公。劇映画としては凡庸な気がしますが、セラピー犬についての啓蒙映画(実際に普及協会が製作に関わっているようです)と見ればよく出来ていると言えるでしょう。老人の患者が描き遺したタムラのイラストには泣けました。この老人を演じたベテランの俳優さんはこの映画が遺作になったそうです。