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Mr.インクレディブル  "The Incredible"
    2004年 12月 26日
T・ジョイ久留米

b0004063_1241081.jpg最近のピクサー作品は好みじゃなかったので、もともと観るつもりはなかったんですが、職場の近くにオープンしたシネコンのDLPシアターで上映していたので、デジタル上映への興味で観ることにしました。

DLPはさすがに凄かった! とにかくクリアで立体感がある画面は、通常のフィルム上映を完全に超えていました。「SW エピソードⅡ」で先にDLPを体験していた知人からは、「あまり質感が表現できていない」と聞いていましたが、今回のようなCGアニメはDLPと相性が良いのかもしれません。次回はぜひ実写作品で観比べてみようと思います。

で映画の方ですが、これが予想外に面白かった。
前作「フィンディング・ニモ」や「モンスターズ・インク」は何か説教くさいのが嫌でしたが、「Mr.インクレディブル」は純粋なエンタテイメントとして楽しめました。今回も「家族愛」というテーマは一応あるんですが、予想したほど強調されていない。個人的にはそこが良かったです。
私の場合、今までアニメの女性キャラに魅力を感じたことは皆無でしたが、この映画のインクレディブル夫人=イラスティガールはなかなかイケてますよね。でも日本語吹替えの黒木瞳にずいぶん容姿が似ているのは狙ってのことでしょうか?

Mr.インクレディブル@映画生活
マイ・ボディガード  "Man On Fire"
    2004年 12月 18日
中洲大洋劇場

b0004063_20441377.jpgこの映画のラストには驚きました。
単に原作と異なっていたからではなく、まったく予想もしていなかった結末だったから..というわけでもありません。
それまでの描写からすればありえない“掟破り”の結末だったからです。
この辺を具体的に説明するとどうしてもネタばれになってしまうので、それは止めておきますが、観客にとっては何ともアンフェアな作劇だという他にありません。

原作は比類ない程にハードな復讐劇でしたが、映画化作品の方はずいぶんとセンチメンタルな色合いが濃いものになってしまった感があります。やはりハリウッド映画の限界なのでしょうか?もちろん、こちらを好む観客も少なからず存在するのでしょうが。(実際、“おすぎ”を筆頭に、ずいぶんこの映画を持ち上げる批評家もいますしね)

T.スコット監督とD.ワシントン。お気に入りの一本「クリムゾン・タイド」のコンビ再現に胸躍らせていたんですが、私には正直期待ハズレの作品でした。
エイプリルの七面鳥  "Pieces of April”
    2004年 12月 12日
シネリーブル博多駅

b0004063_21532264.jpg家族の問題を結構シビアに描いていますが、全体的にはオフビートなコメディといった印象で、決して重くなく気軽に観られる作品でした。
映画の最後には、誰もがホロリとするであろうハッピーエンディングが用意されています。たぶん大多数の観客は「ああ、いい映画を観たなあ」と感じられるのではないでしょうか。

この作品のメッセージは「人を外見や先入観で判断せずに、もっとオープンな心で接しようよ」ということだと私は受け取りました。
トラブルに見舞われたエイプリルを助けてくれた住人は、黒人夫婦であり、言葉が通じない中国系の家族といったマイノリティーの人たちでした。中国系家族の親切に応えて、エイプリルがぎこちなく(東洋的な仕草で)お辞儀をしながら、「ありがとう」と一言お礼を言うシーンは何ともキュートで微笑ましかったですね。
また映画の終盤では、強面でちょっと近づきがたい風貌のバイカーが彼女の家族を助けてくれます。「他人を外見や先入観で決め付けてはダメだ」 この映画を観た後では、誰もがこれに共感することでしょう。残念ながら、現実にはなかなか難しいことですが..

エイプリルの七面鳥@映画生活
イブラヒムおじさんとコーランの花たち  "Monsieur Ibrahim Et Les Fleurs Du Coran"
    2004年 12月 12日
KBCシネマ1・2

b0004063_2028575.jpg孤独な少年と心優しき老人の交流をほのぼのと描いた作品で、話としてはありがちなんですが、この映画で異彩を放っているのは、60年代のパリ下町を再現した猥雑な描写と全編に流れるフレンチ・ポップスで、これらの彩りが暗くなりがちなストーリーをずいぶん救っていると思います。
それとオマー・シャリフの存在感はやはり圧倒的ですね。
彼の腹の底からこみあげてくるような、溢れんばかりの笑顔は忘れがたい印象を残します。

ちょっと残念なのは、タイトルに「コーランの花たち」と謳っている割にコーランの教義について具体的な言及がなく、またストーリーにも絡まないことです。「私にはコーランの教えがある(だから幸福だ)」だとか「人生に必要なことは全てコーランに載っている」という抽象的な台詞は出てくるのですが...
異国の地で寂しい暮らしをしていても超然として笑顔を絶やさない老人の姿には胸を打たれますが、ではコーランのどのような教えがそんな彼の拠り所となっているのか? またどのような教えが孤独なユダヤ人少年をも癒したのか?この辺りの描写があれば、より説得力ある作品になった気がします。

イブラヒムおじさんとコーランの花たち@映画生活
個人的2004年ベストテン(外国映画)
    2004年 12月 11日
b0004063_0423138.jpg※私が所属している映画サークルで恒例となっている「年間ベストテン」投票のために、選出したものです。
昨年12月から本年11月までに福岡で劇場公開された作品が対象となっています。






●1位  「ビッグ・フィッシュ」
●2位  「ロスト・イン・トランスレーション」
●3位  「スクール・オブ・ロック」
●4位  「シービスケット」
●5位  「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」
●6位  「砂と霧の家」
●7位  「21グラム」
●8位  「コラテラル」
●9位  「幸せになるためのイタリア語講座」 
●10位 「グッバイ、レーニン」

以下、寸評です

『ビッグ・フィッシュ』
ありのままの退屈な事実より、大げさに脚色した楽しいホラ話の方が時として真実に迫ることがある。このテーマは映画という存在そのものを象徴していると言えないでしょうか。「人生なんてまるでお伽話(=映画)」 ね!そう思いません?

『ロスト・イン・トランスレーション』
異文化の中に放り出されたときに感じる独特の浮遊感が、センス抜群の音楽に彩られながら見事に表現されていて、なかなか心地よかったです。

『スクール・オブ・ロック』
まったく、あのジャック・ブラックの暑苦しい存在なくしては成立しない映画ですね。その意味で、抜群の企画だったと思います。反対に言うと、これ以外に彼がピンで主演できる作品があるとは想像できませんが.. 

『シービスケット』
何十年も昔のレースを大迫力で再現するのはやはり莫大な金がかかる。残念ながら日本映画では無理な話でしょう。だからハリウッドはこんな良質な映画にこそ大金をかけて作り続けて欲しいと思う。C.クーパーとJ.ブリッジスの懐が深い演技も印象的でした。

『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』
以前、スプラッター嫌いの私はこの監督のことを「死ね!」と思っていました。謝罪します。

『幸せになるためのイタリア語講座』
心癒される小品でした。ちなみに、これを観た時、満員のシネテリエ天神の観客は私以外すべて女性でした。同じ日に観た「イノセンス」は男ばっかりだったのに..
個人的2004年ベストテン(日本映画)
    2004年 12月 11日
b0004063_0344992.jpg※私が所属している映画サークルで恒例となっている「年間ベストテン」投票のために、選出したものです。
昨年12月から本年11月までに福岡で劇場公開された作品が対象となっています。






●1位  「深呼吸の必要」
●2位  「油断大敵」
●3位  「スクール・ウォーズ HERO」
●4位  「ジャンプ」
●5位  「ジョゼと虎と魚たち」
●6位  「誰も知らない」
●7位  「ふくろう」
●8位  「リアリズムの宿」
●9位  「珈琲時光」 
●10位 「スウィングガールズ」

以下、寸評です

『深呼吸の必要』
「失敗しても、またやり直しすればいいさ」、このあまりにシンプルなメッセージが説得力を持って描かれていて、本当に心に沁みました。

『油断大敵』
役所の長台詞にそれを受ける無言の柄本..2人の芝居に引き込まれました。夏川結衣も良かった。出番が少ないのが残念だったけど。

『スクール・ウォーズ HERO』
勘違いしている人が多いが、これはあの大映テレビ制作ドラマのリメイクではありません。(題名を流用しているのは興行上の配慮だろう) TVドラマ版のような過剰な脚色を排して、現実のエピソードに忠実かつ丁寧に描いた演出には拍手を送りたい。主演の照英、SAYAKAほかの予想外(笑)の好演も嬉しい誤算でした。

『ジャンプ』
劇中で今これを観ているシネサロン・パヴェリア(正確には映画館が入っているTNC放送会館)が映し出された瞬間は、思わず笑ってしまいました。終盤の謎解きはちょっと無理を感じましたが、全体的には考えさせられる所が多い作品でした。
ニュースの天才  "Shattered Glass"
    2004年 12月 06日
ユナイテッドシネマ福岡

b0004063_1184090.jpgネット上のユーザーレビューでは「退屈」「つまらない」という感想がずいぶん目についたが、そんなことはなかった。
私は主人公よりも、堅物で部下から人気がなく、またジャーナリストとしても凡庸な編集長の方に感情移入して映画を観た。
はたして主人公のスクープ記事は捏造だったのか?
事実を追求しようとする編集長に周囲は決して好意的ではない。
「奴は有能な部下に嫉妬してるだけだ」 
しかし冷淡な視線に耐えながら、彼は真実の検証を止めようとはせず、その結果、最終的に(自分を軽視していた)編集部全員から信任を得ることになる。このシーンには思わず涙が出そうになった。
実社会に出て、組織の中で苦労した経験がある人にとっては必見の映画だと思う。

ニュースの天才@映画生活