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死ぬまでにしたい10のこと
    2004年 10月 31日
WOWOWにて放映

b0004063_161033.jpg良い意味で言うのだが、この映画は”大人向けのおとぎ話”だ。
私の勤め先はホスピスがある病院で、その関係で終末期医療について多少の知識は持っている。そんな私から見て、この映画のストーリーは現実的とはいえない。末期がんの患者が定期的に鎮痛剤を処方してもらうだけで苦痛を抑えることはできないし、現実にはあっという間に衰弱してしまって、映画のように最後まで家族に病気を隠しとおすことは不可能だろう。
この映画は非現実的なドラマではあるが、同時に人生の真実を描くことには成功している。その意味で「おとぎ話」だという印象を受けるのだ。
ヒロインの行動(特に不倫の関して)には観客の間でも賛否が分かれているようだが、私はこの映画のメッセージは真摯なものであると思う。
踊るマハラジャ★NYへ行く
    2004年 10月 27日
WOWOWにて放映

b0004063_21571779.jpg出演: ヘザー・グラハム 、マリサ・トメイ 、ジミ・ミストリー
インドでダンスのインストラクターをする青年ラムー。ジョン・トラボルタの「グリース」に憧れている彼は、将来アメリカで成功することを夢見て、ある日ついにニューヨークへ。しかし、ラムーの思うようには事が運ばず、ひょんなことからポルノ映画へ出演するハメに。だが、共演者のセクシー美女シャローナとの出会いが彼の運命の転機となる..

先日NHK-BSの番組で見たのだが、今ニューヨークでは「ボリウッド映画」のダンスが密かなブームだそうで、インド系女性が教えるダンス教室は大盛況だった。
この映画にもダンスシーンは登場するが何だか中途半端。(それでもヘザー・グラハムが踊るシーンはなかなかの見もの)こんなありきたりのラブコメではなく、もっとボリウッド・ダンス満載のミュージカルにした方がウケたんじゃないだろうか?
ドラッグストア・ガール
    2004年 10月 26日
DVD鑑賞

b0004063_21434085.jpg冒頭のシーンだけは笑えたが、これはちょっと..いやかなりガッカリな作品だ。
その冒頭シーンをはじめ、まるでキーワードみたいに「理数系の女」という台詞が連呼されるにもかかわらず、田中麗奈演じるヒロインはこの映画でも毎度のごとく「体育会系少女」であって、(薬科大の学生という設定を除いて)いかにも”理数系”と思わせるような描写は皆無。この辺からしてピントがずれている。

観客を笑わせたいのか、それとも感動させたいのか、演出がどちらに力点を置いているのかも曖昧なんだが、どちらにしても一番肝心なのは、柄本明ほかの中高年オヤジたちに一生懸命ラクロスをプレーさせることだろう。しかし映画の中のオヤジどもはヘラヘラと道化役に終始するばかり..で最後は「少林サッカー」もどきのCGでお茶を濁してお終い。
特典映像として収録されたインタビューの中で、監督は「中高年の人たちにエールを送りたかった」と語っているが、これを観て力づけられる中高年などいるんだろうか?
珈琲時光
    2004年 10月 22日
シネテリエ天神  

b0004063_20474465.jpg実を言うと、小津の映画はビデオですらまともに観たことがない。
一度、「東京物語」をレンタルしたことがあったが、テープの劣化がひどく、とても鑑賞に耐える画質ではなかったので、結局観ずに返却してしまった。
そんな私なので、この作品のどこが“小津調”なのか具体的にはわからない。シングルマザー宣言をした娘に何か声をかけてやりたいのだけど、なかなか切り出せない父親を演じる小林稔侍は、やはり笠智衆の演技を意識しているんだろうなとは思った。

この「珈琲時光」のように、何も起らない日常を淡々とスケッチした作風は個人的に嫌いでないので、私は最後まで退屈せずに観ることができたが、「何?この映画」と思う観客も少なくないだろう。
しかし、日常生活を丹念に描いているわりに、主人公たちの生活感がまるで出てないのは不思議。
フリーライターを生業にしているわりに、ヒロインの部屋にはあまり本を見かけなかったし..
それにしても、一青窈にしても浅野忠信にしても、あの仕事ぶりで食べていけてるのだろうか?

聞くところによれば、この劇場公開版はマスコミ試写の時よりかなり短縮されているらしい。
唐突な「北海道にいる育ての親が入院..」云々とか、萩原聖人の「こないだは傘ありがとう」の意味不明な台詞なんかは、やっぱりカットされた場面の名残なのかな?

珈琲時光@映画生活
モンスター  "Monster"
    2004年 10月 11日
シネテリエ天神

b0004063_22462458.jpgこの映画でシャーリーズ・セロンに賛辞が集中するのは納得だけど、個人的にはクリスチーナ・リッチの巧さ(というか役のハマリぶり)が際立って印象に残った。一見弱々しくて(実際、弱い人間に違いない)純真そうでいて、実は狡猾で結構ふてぶてしい。こんな黒い二面性を持った少女を説得力たっぷりに演じていた。彼女が法廷で見せた能面のような冷たい表情は今も頭から離れない。

でもそんな仕打ちを受けながらも、シャーリーズ演じるヒロインは彼女のことを許した、というより責めようとは思わなかったんだよね。たとえ最終的には裏切られても、一度は自分を愛してくれた、理解してくれた存在というのはそれだけ大きかったということか。逆に言えば、それまでの人生で誰一人からも愛されたことがなかったわけで、これはやりきれない程に切ない話だ。
それにしてもアメリカって弱者には徹底してシビアな社会だ。持ち金が底をつけば即餓死、それとも自殺..そんな現実をとてもリアルに感じた。

モンスター@映画生活
モーターサイクル・ダイアリーズ  "The Motorcycle Diaries"
    2004年 10月 11日
KBCシネマ1・2

b0004063_22424462.jpg貧困に喘ぐ民衆、破壊された古代文明、差別されるインディオたち、そして社会から隔離されたハンセン病患者.. 映画で描かれた、こうした南米の現実をつぶさに見聞したことが、ゲバラのその後の人生を革命志向へと向かわせたことは疑いない。
一人の医者として救済できる人々の数には限りがある。苦しんでいる人々を皆救済するには、社会全体を変革するしかない。たぶん彼はそう考えたのだろう。
それは解る、解るんだけど..

何かピンと来ない。今ひとつ胸に迫ってこない、というのが正直な実感だった。
たぶん体調が悪かったせいもあるのだろう。当日はカゼ気味で、映画館に入る前は平気だったのだが、超満員の館内で映画が始まった途端に息苦しくなってしまった。特に映画の中でゲバラが喘息の発作に苦しむシーンになるたび(数回描かれる)、こちらもつられて咳き込みそうになり、堪えるのにとても辛かった。
まあ映画を楽しむ感度が低下していたのは確か。できれば体調を整えて観直してみたい。

モーターサイクル・ダイアリーズ@映画生活
インファナル・アフェア 無間序曲
    2004年 10月 10日
ユナイテッドシネマ福岡

b0004063_22385974.jpg正直、シリーズ前作は周囲の人が薦めるほど面白いと思わなかった。そんな私だが今作は楽しめた。
まず脚本がうまく、キャラクターもよく作りこまれている。特に今回、本来は主役である若手2人ではなく、周辺のキャラクターに焦点を当てたのが勝因だろう。特に敵ボスは、前作では「(風貌が)町工場の社長みたいで貫禄ないな」と思ったものだが、今作を観ると(反対に)役柄に説得力を感じてしまった。
単に前史を描くのではなく、香港の中国返還を中心に、90年代の時代変遷を巧みにストーリーに織り込んでいる点も高ポイント。
とにかく、これでシリーズの世界観が大幅に広がりも深みも増したのは確か。映画を観た人の大半は同感だと思うが、早く第一作を見直したいと思う。時間軸では前作の方が続編にあたるわけだからね。都合良いことに、今月WOWOWで放映されるみたいだ。

あと、随所に「ゴッドファーザー」へのオマージュが感じられるのも面白い。あまりやり過ぎると嫌味だが、これくらいなら効果的だろう。

インファナル・アフェア 無間序曲@映画生活