カテゴリ:劇場鑑賞( 140 )
   
ジーナ・K
    2004年 09月 21日
西鉄ホール(※アジアフォーカス福岡映画祭・協賛企画として特別上映)

b0004063_2261183.jpg 【監督】藤江儀全
【出演】SHUUBI、石田えり、光石研、ARATA、永瀬正敏、石井聰亙、片岡礼子

福岡・中洲に君臨する伝説のストリッパー・カトリーヌ。その娘かやのは、母親との葛藤から家を離れ、街をさまようようになっていた。ある日かやのは、カトリーヌをストリッパーとして育てた男、宮本と再会する。カトリーヌの人気の翳りに見切りをつけていた宮本は、かやのが過去に一度だけステージで歌った時に見せたその才能に目をつけていたのだ。宮本が用意したシナリオにしたがって、ジーナ・Kとしてライブハウスで歌うようになるかやの。次第に、つくられたジーナ像と自身とのはざまに苦しめられるようになっていた..

上記のストーリー(映画祭HPからのコピペ)を読んで、ベット・ミドラーの『ローズ』を連想して期待していた映画だった。地元福岡発の作品でもあるし、ご覧のようにキャストも豪華だ。(ヒロインは福岡出身のシンガーらしい。舞台挨拶ではアカペラで生歌も聴かせてくれた)
しかし残念ながら映画の出来にはガッカリした。そもそも上記のようなストレートなお話ではなく、ウダウダと紆余曲折しながらストーリーは進行していき、非常にテンポが悪い。また何となく監督の思い入れは感じるのだが、観客には意味不明なシーンも少なくない。劇場公開は来年3月だとのことだから、余計なエピソードは削除して再編集した方がいいんじゃないだろうか。
堕天使のパスポート  "Dirty Pretty Things"
    2004年 09月 21日
シネテリエ天神

b0004063_215968.jpg 『アメリ』のオドレイ・トトゥが、社会の底辺で生きるトルコ人移民という汚れ役に挑んだ意欲作。トルコ訛りの英語で熱演する彼女をはじめ、主要キャストの好演が光り、不法移民として生きるしかない弱者の現実を容赦なく描いた見応えある作品に仕上がっている。
同じマイノリティがより弱い者を喰いものにしている現実は悲しいが、このような構図はどこの社会も同じなのだと痛感した

しかし終盤の展開に無理があって、ちょっと釈然としないものが残るのも事実だ。この部分だけはハリウッドの一発逆転コメディ(例えばエディ・マーフィーの『大逆転』)に近いノリで、作品全体の中で浮いている。ネタバレになるので具体的に書けないのだが、どう考えても非現実的としか言いようが無い。多少無理な作劇をしなければ、映画に描かれた(ちょいホロ苦いが)希望が持てる結末に導くことは無理だったということなのだろうか?

堕天使のパスポート@映画生活
ジャパニーズ・ストーリー "Japanese Story"
    2004年 09月 20日
エルガーラホール(アジアフォーカス福岡映画祭にて上映)

b0004063_938095.jpg 地質学者サンディは、自分が開発したソフトウェアを売るため、渋々ながら無口な日本人ビジネスマンであるヒロミツの世話をすることになった。ヒロミツは彼女を運転手だと誤解し、オーストラリア西部ピルバラ地方の鉱床と砂漠に案内するよう頼む。しかしそこには危険が待ち受けていた.. シドニー出身で、最近は「シックス・センス」「めぐりあう時間たち」などハリウッドでも活躍が目立つトニー・コレットが出演した地元オーストラリア映画。

 ???というのが観終っての率直な感想。中盤までは典型的なロードムービーだ。異文化どうしのぎこちないコミュニケーションから始まった2人の関係が、旅先で遭遇するいろんな出来事を経て少しずつ親密になっていく..という、ありがちではあるが、非常にわかりやすい展開だった。
 ところがこの映画、終盤にさしかかったところで、唐突に唖然とするような”事件”が発生して、そのまま予想もしなかった結末を迎えてしまうのだ。この通常の劇映画では考えられないドラマ展開にどのような意図があったのか?、私には正直わからない。またトニー・コレット演じるヒロインの心情についても同様にわからない。せっかくの映画祭なのだから、この辺はぜひ監督なり出演者なりに直接お尋ねしたいものだが、残念ながらこの作品はゲスト無しで、ティーチインは行われなかった。
 
 しかしながらこの作品、国際的にはかなり高い評価を受けているらしい。特にトニー・コレットは多数の演技賞を受賞している。一体どこが高評価のポイントになっているのだろうか?
 その手がかりになればと思いIMDBの掲示板をチェックしたみたが、やはり「わからない」というカキコミが目につく。少なくとも一般人にとっては、国内・海外を問わず難解な作品に違いないだろう。
スクール・ウォーズ HERO
    2004年 09月 20日
シネリーブル博多駅

b0004063_9361212.jpg 一言、すばらしい。本当に満足した。私の場合、もともとTVシリーズの過剰な脚色部分が好きではなかったので、今回の映画化は「そう!これが見たかったんだよ」と思わず言いたくなる出来ばえだ。
 実は最初にキャスト・スタッフの名前を知った時、「こりゃ期待できんわ」というのが正直な印象だった。しかし完成した作品を観た今となっては、彼ら全員に「失礼しました」と謝るほかにない。

 この映画に対して「今さらスポ根かよ?」といった反応を示す人は多いだろう。私の周辺も実際そうだし。確かに予告編を見るとアナクロなシーンやクサい台詞のオンパレードだ。しかし本編で映画全体を通して見ると、これらのシーンや台詞は決して浮いておらず、むしろ見事にハマっていることに驚く。これは現実のエピソードを下手にいじらず、しかも丁寧に描いているからだと思う。こうした原作の感動をストレートに表現しようという姿勢は大いに評価したい。

 試合シーンの迫力も特筆ものだ。国産のスポーツ映画としては画期的と言っていいだろう。また前半の山場、強豪チームに112-0で大敗する場面でも、「必死に抵抗しようとするのだが、まるで歯が立たない」というニュアンスがよく出ていて感心した。(だから試合後、全員が「悔しい!」と崩れ落ちるシーンが活きてくる) これがTVドラマ版では、ただ相手チームが一方的にトライの山を築くのみ..何とも平板でマンガ的な描写だったのに比べると格段の違いだ。
 
スウィングガールズ
    2004年 09月 17日
天神東宝

b0004063_2338206.jpg女子高生とJAZZ、東北の田舎町とJAZZって取り合わせは面白いし、ガールズの皆も個性豊かでユニークな面子が揃ってる。実際、笑えるシーンも多いんだけど、映画全体を通して見ると、どうもいまひとつ満足度が低いんだな。

イノシシに追われるシーンなんか典型だけど、笑えるポイントはどれも一発芸みたいなもの。必然性があろうが無かろうが、とにかく笑えるシチュエーションを強引に作って、映画のあちこちにバラまいた感じが否めない。
そんな安易にウケを狙ったシーンの数々のせいで、本来ストーリーの要となるべき、彼女たちの演奏が上達していく過程の描写がずいぶん省略されている。
まあ作り手側としては、単調になりがちな演奏の特訓シーンよりも、笑いを取りやすいギャグを多く入れる方を優先したんだろう。
しかし、演じている彼女たちは現実に猛練習を体験している(その結果、吹き替えなしで演奏できている)わけで、それなのに、映画ではそれを描かないのはもったいないと思う。
やっぱり「ガールズの皆は頑張った!」という実感がもう少しでもあれば、ラストのカタルシスはずっと大きくなったと思うのだが..
「リヴ・フォーエバー」  "Live Forever"
    2004年 08月 29日
シネテリエ天神  公式サイト  
b0004063_20232655.jpg今日はまた湯布院映画祭に出かける予定だったのだが、台風16号の接近で泣く泣く断念。新作試写3本分の前売り券はムダになってしまうが、どうしようもない。あ~あ、竹中直人の「サヨナラCOLOR」は必見だし、本人の話が聞けるのも本当に楽しみにしてたんだけどなあ..

せめて近場で映画を観ようと、「リヴ・フォーエバー」上映中のシネテリエ天神に行ってきた。
東京・大阪ではかなりの大入りと聞いていたが、1日2回のみの上映だというのに、せいぜい7割程度の入りでちょっと拍子抜け。ひょっとすると、過去2回のオアシス福岡公演でのトラブルが影響してるんだろうか。

映画は90年代の音楽シーンで一大ムーブメントを巻き起こしたブリット・ポップをテーマに扱ったドキュメンタリー。予想と違って、オアシスのコピーバンドが狂言回しをつとめる何だかユルい内容だが、まあ退屈はしなかった。真面目にコメントするパルプのジャービス・コッカーやマッシブ・アタックの3Dより、ほとんどヨタ話のギャラガー兄弟(オアシス)の方がやっぱり圧倒的に面白い。
オアシスとの確執について聞かれたデーモン(ブラー)は「その話はよそう」と相変わらず弱気だが、最後の方でブリット・ポップの後継者と紹介されたロビー・ウイリアムスも確かオアシスとは相当に仲が悪かったはず?彼のコメントもぜひ入れて欲しかったな。
「誰も知らない」
    2004年 08月 24日
シネリーブル博多駅  公式サイト

b0004063_23172792.jpg是枝監督の前作「ディスタンス」はなかなか興味深い映画だったが、ドキュメンタリー出身だからなのか、台本を用意しないアドリブを主体とした演出にはある種の違和感を感じた。今回そのような違和感を感じなかったのは、主要な出演者が子供たちだったからだろうか..
癒し系の音楽でオブラートが被せられているとはいえ、映画の後半は観ていて辛くなる描写の連続だ。
主人公の少年が「(警察や福祉事務所に相談すれば)僕たち兄妹は一緒にいられなくなる」と答えるシーンで思い出したのだが、まさにこの映画のその後を描いたかのようなアメリカ映画があった。確か題名は「ロングウェイ・ホーム」。両親から置き去りにされた子供たちが警察に保護された後、それぞれ別の里親に引き取られてしまう。その後、成人した長男は必死の思いで生き別れた弟と妹の捜索を開始する..という内容だった。これも実話だそうだ。
「華氏911」  "Fahrenheit 911"
    2004年 08月 23日
AMCキャナルシティ13

b0004063_20122274.jpgM.ムーアによるブッシュ糾弾のための2時間に及ぶプレゼンテーションを見せられたというのが率直な印象で、あまり映画を観たという気がしない。その意義は認めるが、映画作品としての完成度は「ボウリング・フォー・コロンバイン」の方がずっと上だろう。
前作も「アメリカ銃社会の真実は?」というシビアで重いテーマを扱ったものだったが、決してシリアス一辺倒でなく、随所に笑いの部分を交えた緩急が絶妙だった。今回はこの緩急がほとんど無い。
またニュース映像が主体でM.ムーア自身による取材部分が少ないのも残念。まあ描く対象が大統領では仕方ないか。
「ドリーマーズ」  "The Dreamers"
    2004年 08月 09日
KBCシネマ1・2  公式サイト

b0004063_2017993.jpg才気走った若手が撮ったかのような作風で、60歳を過ぎたベテラン監督の手によるものとはとても信じがたい。ベルトリッチの感性は本当に若い。
よそ者であるアメリカ人の視点でストーリーが語られる点は良かった。フランス人姉弟中心に話を進めていたら、かなりスノビッシュな感じで抵抗あったと思う。

ヨーロッパ人男女にアメリカ人の三人組という設定から、最初「鳩の翼」を連想した。あの映画のように、このアメリカ人も結局は姉弟から酷い仕打ちを受けることになるんじゃないか?と思っていたが、これは外れた。まあ終始、翻弄されっぱなしではあったが。(それに映画の結末はちょっと微妙だけどね)
「スパイダーマン2」  "Spider-man 2"
    2004年 08月 02日
ワーナーマイカルシネマズ大野城

b0004063_1512456.jpg個人的に第1作はまったくダメだったが、今回は楽しめた。 ヒーロー側の個人的な苦悩や葛藤を描くというのは今やこの手の映画の常套手段で、目新しくも何ともないが、今作は脚本・演出の巧みさでストーリーを盛り上げ、観客の心を摑むことに成功している。 
またシリーズ物の定石を破る展開が随所に見られて、観客を飽きさせない点も評価していい。 ただし、ラスト近くで次作への露骨な繋ぎが描かれているのは、ちょっと興冷めだったが..

あと、日本では異様に(主にルックスの点で)評判がよろしくないキルスティン・ダンストだけど、僕は結構気に入っている。 せいぜい人並み以上といった容姿の彼女が演じればこそ、多くの観客はMJを身近に感じ、映画に共感できたのではないか。 それに彼女はどの作品でも、思わずハッとする魅惑的な表情を見せる瞬間がある。 この映画でもそうだった。 皆そう思わないだろうか?