東京タワー オカンとボクと、時々、オトン
    2007年 04月 20日
【Tジョイ久留米】
この原作小説の存在はずいぶん前から知っていたが、てっきり関西地方のお話だと思っていた。それがフジテレビの連続ドラマを見て、はじめて主人公が福岡出身者なのだと知り、とても意外だった。福岡ではふつう両親のことを「オカン」、「オトン」とは呼ばないと思うのだが。

今回の映画版は「泣かせ」のツボをあえて外した、抑制された演出が光る佳作だ。最近でいえば『眉山』のような、ステレオタイプな「母子もの」とは一線を画していると思う。
映画の場合、連続ドラマに比べて尺の長さという点でハンデがあるのは否めないが、現在のシーンをベースに回想シーンを織り交ぜるという、時間軸を交錯させる構成によって、駆け足の展開という印象を巧く回避している。ただ大学受験の頃までの主人公は子役が演じているのに、入学したとたんオダギリ・ジョーに代わってしまうのは違和感が残るところだ。(同じようにオカン役も、実の親子である内田也哉子から樹木希林へ唐突に交代する)

実はドラマ版の倍賞美津子を見て、「これ以上のオカン役はありえないだろう」と思っていたのだが、映画の樹木希林も流石としか言いようがない芝居をみせる。なかなか甲乙つけがたいのだが、「九州の母」としてのリアリティという一点で樹木希林の方が僅かに上をいっていると感じた。
一方、主人公のボク役であるオダギリ・ジョーは、この役にはちょっと垢抜けすぎではないだろうか? この点、ドラマ版の速水もこみちの方が、演技力ではオダギリに遠く及ばないものの、地方から上京してきた若者という感じはよく出ていたような気がする。

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by coolkoro | 2007-04-20 22:50 | 劇場鑑賞
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