リトル・ミス・サンシャイン "Little Miss Sunshine"
    2007年 01月 06日
【シネリーブル博多駅】
アリゾナ州に住むオリーヴはとうてい無謀?なミスコン優勝を夢見る9歳のメガネ少女。彼女の家族は皆それぞれ問題を抱えて崩壊寸前だった。パパのリチャードは独自の成功論を声高に振りかざすが、自分自身は甲斐性ゼロ。家族を嫌って沈黙を続ける長男ドウェーン。ヘロイン常習の祖父は強烈な毒舌家。さらにはそこへゲイで自殺未遂の伯父フランクまで加わる始末。唯一の常識人であるママ、シェリルの孤軍奮闘も虚しく家族はまさにバラバラ状態。
そんなお騒がせ一家のもとに朗報が舞い込む。オリーヴがカリフォルニアで行われる「リトル・ミス・サンシャイン」コンテストへ繰り上げ参加できることが決定したのだ。問題だらけの彼らだが、こうして家族6人ミニバスに乗り込み、一路コンテスト会場を目指ことになった..

ダメ人間たちを暖かな視点で捉えた映画といえば、トッド・ソロンズの一連の作品をはじめ少なくないが、中でもこの映画の印象が爽快なのは、登場人物たちがウジウジと悩むのではなく、非常に行動的だからだろう。
出版の約束を反故にされそうになった親父は、約束の履行を迫るべく?見知らぬ若者に借りたミニバイクでハイウェイをぶっ飛ばすし(実際はテクテク走っているのだが)、最初「こりゃ一番の厄介者だな」と思われた自殺未遂の叔父(実は意外や常識人)が、受付時間に間に合わせるため、「リトル・ミス・サンシャイン」コンテストの会場目指して全力で疾走するシーンには思わず拍手喝采したくなった。

ラストのダンスシーンはちと演出過剰の気もするが(BGMが今では最もダサい音楽=MCハマーなのは笑える)、幼女に厚化粧させるミスコンを「悪趣味なもの」として否定的に描いている点は大いに賛同する。例のジョン・ベネのビデオを最初見たとき驚愕したが、あれがアメリカでは特殊な世界でないことがこの映画で解った。確かに、「幼女ミスコン」の周辺にいる大人たちに比べれば、この映画の主人公であるダメ人間たちの方がずっとマトモだし、魅力的でもある。

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リトル・ミス・サンシャイン@映画生活
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by coolkoro | 2007-01-06 23:01 | 劇場鑑賞
   
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