14歳
    2006年 10月 27日
【福岡市総合図書館 映像ホール・シネラ】
※ぴあフィルムフェスティバルにてプレミア上映

 2004年に自主製作映画『ある朝スウプは』でPFFグランプリに輝いた高橋泉&廣末哲万のコンビによる新作で、グランプリ受賞の特典であるPFFスカラシップの援助を受けて製作されている。
 
 福岡では『ある朝スウプは』は劇場公開されなかったのだが、私はアジア・フォーカスでの上映を観ることができた。ほぼアパートの一室で撮影され、主な登場人物は部屋の住民である同棲カップルに絞られた『スウプ』に比べて、今回はさすがに劇場公開作品だけあって?、ある学校を主な舞台に、14歳の多感な中学生たちと、かって14歳であった大人たちとの葛藤を描いた群像劇へとスケールアップしている。しかし、主人公たちが抱えるトラウマにもがき苦しむ様を容赦なく抉り出すような作風は前作から踏襲しているし、またキャストには香川照之や渡辺真紀子といったお馴染みの役者が加わっているが、核となるのは前作に続いて並木愛枝と廣末哲万(今回は演出と兼任)の2人だ。

 見応えのある力作で、私は満足した。ただ難を言うとすれば、非常にヘビィな作品だけに、もっと笑いを交えたり、観客が一息つける間を挿入することで、作品全体に緩急をつけてくれた方が、印象的な数々のシーンはいっそう際立ったと思うのだが。『スウプ』でも笑えるシーンこそ無かったが、長回しで撮られた食事のシーン等は絶妙の間になっていた。
 
 客席は3分の1程度の入りだったが、平日でしかも会場の交通アクセスを考えれば、よく入った方だと思う。上映前に「ぴあ」側から、「このような、ほとんど事前の情報がない作品をよく観に来てくださいました」と挨拶があった。本当にそのとおり。映画は来年春以降の公開予定。「福岡も含めて、全国での公開を目指す」とのことで、ぜひその実現を望みたい。

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by coolkoro | 2006-10-27 21:53 | 劇場鑑賞