夜のピクニック
    2006年 09月 26日
【ユナイテッドシネマ キャナルシティ13】 ※試写会
 
 年に1度、全校生徒が24時間、夜をも徹して80キロの道のりを歩く伝統行事「歩行祭」。今回が最後の歩行祭となる甲田貴子は、重大な決心を固めていた。それは一度も口をきいたことがないクラスメイト、西脇融に話しかけるということ。実は2人の間には、親友にも話せない秘密があったのだ..

 心地よい空気感に包まれた映画で、私は好きだ。上映時間の大半が歩くだけのシーンで、その間、事件らしい事件が起きるわけではない。しかし当事者の高校生たちにとっては、そんな他愛ない出来事の一つ一つが結構大きなことだったりするんだろうなと思わせる。「去年、死体を見たよね」という話題で盛り上がるシーンでは、『スタンド・バイ・ミー』を思い出してしまった。

 ちょっと引っかかったのが、映画のキーであるヒロインが抱える秘密(すでに宣伝段階でネタばらしされている)がそれほど大層なものに思えないことで、そのためストーリーの骨格がやや弱いと感じたのだが、それは大人の視点から見ればの話であって、やはりあの年代の少年少女にとっては非常に切実な問題ということになるのかな..という気もする。

 ただ、映画の端々で唐突に挿入されるギャグシーンはいただけない。歩くシーンが延々と続く映画にアクセントをつけたい意図は解るが、いかんせんセンスが悪い。特に『プラトーン』のパロディと思しき場面。何の必然性があって、あれを入れたのか、まったく理解に苦しむところだ。

 ヒロインを演じているのが多部未華子。舞台挨拶で本人を見たが、格別に美少女というわけでもない。しかしスクリーンの中での彼女はずっと魅力的に映っているから不思議だ。ルックスだけが売りではない、「雰囲気のある女優」として、これから多くの観客の記憶に留まっていくことだろう。少なくとも私にとっては、『ルート225』と今回の作品ですっかりご贔屓の若手女優になってしまった。

夜のピクニック@映画生活

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by coolkoro | 2006-09-26 23:02 | 劇場鑑賞
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