アジアフォーカスで観た映画-2
    2006年 09月 18日
台風一過もまだ天気はぐずつき気味。
街角の吉野家では「牛丼復活祭」で店前に行列が出来ていた。
今日観た映画は『親友』"Dear Dakanda"(2005年タイ)
会場は昨日と同じ西鉄ホールだが、この映画祭の顔である佐藤忠雄さんの姿が見えないのが気になる。別会場のソラリアシネマの方にいるのだろうか?その代わりではないが、昨日に続いて批評家の北川れい子氏が客席にいるのを発見。私はヨコハマ映画祭で壇上の北川氏を見ているので、見間違いではないと思う。スタッフとも談笑していたし。まさか、この方が佐藤氏の後を継いで映画祭のディレクターに就任するとか..?

で映画の内容は以下のとおり(映画祭公式サイトより)
「チェンマイ大学で美術を専攻するカイヨイは、内気な自分とは正反対で明るく魅力的な女性ダカンダと、親友として楽しい時を過ごしてきたが、秘めた恋心を彼女に対して打ち明けることはなかなかできなかった。ある日、カイヨイはタイ南部のパンガン島に渡るが、途中の船で怪我をして、それをきっかけに、島の若い看護婦ヌイと出会う。ヌイの優しさは怪我だけでなく、カイヨイの心までも癒してくれるのだった…。
 異なる場所と時間のなかで、二組の恋のドラマが交錯していくロマンチックなラブストーリーで、タイでは若者を中心に大ヒット。」

アジアフォーカスで観た映画-2_b0004063_2391542.jpg

たまたまスケジュール的に都合が合ったので観た映画で、上記のストーリー紹介を読んだときは趣味でないというか、あまり食指が動かなかった。しかし実際に観てみると、これが予想を超えて面白い。上映時間は2時間を超えていて、この映画祭の上映作品の中ではかなり長い部類に入るが、まったく退屈はしなかった。

この映画の基本的なアイデアは決して目新しいものではないし、使い古されたようなエピソードやベタなシーンも目立つ。それでも総体的に見れば、この映画はフレッシュだし、洗練された印象さえ受ける。これは既成のアイデアを単に拝借するのではなく、上手に消化したうえで、この作品に合わせてフィットさせているからだろう。

フレッシュさという点では、主要キャストに負う部分も大きい。彼らはほとんど新人で固められており、主演女優の2人などは素人同然だったらしい。そんな新人俳優を大胆に起用して、主役のみならず脇役にいたるまで、皆キャラを立たせているのだから、監督の演出力にも非凡なものを感じさせる。コミカルなシーンでやたら大仰な芝居が目につくのが気になったが、これもタイ風テイストというか、一つの味といっていいだろう。

主人公の女性遍歴を交えながら自分探しの旅が綴られていく..という共通点で、僕は『スパニッシュ・アパートメント』を強く連想した。主人公がガールフレンドに手紙を書き綴っていくという形式でストーリーが進行するのも同じだし。(『スパニッシュ・アパートメント』もそうだったよね?違ったかな)

2人のガールフレンドがそれぞれ対照的なキャラクターで、1人は現代的、もう一人は古風な美少女..というのはこの手の映画の定石どおりだが、舞台挨拶にも登場した2人を見るかぎり、素のキャラも映画と同じみたいだ。現代的な方の彼女(※下の写真でも、どちらを指しているかは一目瞭然でしょ?)は手足が長くて、目や口など顔のパーツも大きい。今回のようなコメディで映える女優だと思う。アジアの女優としては貴重な存在ではないかな。

アジアフォーカスで観た映画-2_b0004063_23464692.jpg

   
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31