ナイロビの蜂 "The Constant Gardener"
    2006年 05月 15日
【Tジョイ久留米】
b0004063_2025562.jpgこれまで『ブラックホーク・ダウン』、『ホテル・ルワンダ』、『ロード・オブ・ウォー』といった映画を観て、アフリカにおける最大の問題は自国民に自浄能力が欠けている点だという印象を持っていました。こんな国にどれだけ援助をしても無駄だとも。しかし今回の映画で、先進国の側も”国際援助”の美名のもとにアフリカを食い物にしているという現実もあるのだと知って、大いに衝撃を受けました。

巨大な利権が絡む新薬開発については、背後には相当エグい現実が隠されているのだろうと漠然と想像していましたが、アフリカの貧民救済という名目の裏で、実は彼らを格安な「治験者」として利用していたという事実は私の想像力を超えるものがありました。もし治験者が副作用で死亡するようなことがあっても、もともと疫病が蔓延していて死亡率が高い地域であり、誰も不審に思わず、製薬会社には何のリスクも生じない。もはや「治験」というより、事実上の「人体実験」としか言いようがありません。こんな所業にNGOが協力していたというのもショック。

レイチェル・ワイズがアカデミー助演女優賞を受賞した作品でもありますが、私にはレイフ・ファインズの演技の方がより印象的でした。もともと日和見主義的な外交官だった彼が、妻の死に国家的陰謀の臭いを嗅ぎ取ったことで、その隠された陰謀に迫ろうと立ち上がる主人公を説得力たっぷりに演じ切っていました。もちろん、そんな一般人がいきなりジェームズ・ボンドばりの大活躍をみせるような甘い映画ではありません。その結果どんな結末を迎えるのか、彼は最初から覚悟していたのでしょう。

※アフリカにおける治験問題の現状は下記のサイトが参考になります
「ナイロビの蜂」-アフリカの現状
by coolkoro | 2006-05-15 22:31 | 劇場鑑賞
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