ブロークン・フラワーズ "Broken Flowers"
    2006年 05月 09日
【Tジョイ久留米】
b0004063_20242391.jpg初老にさしかかる年齢なのに、未だ「不惑」からは程遠い未成熟な男の悲喜こもごもを描いた映画として面白く観ました。
ビル・マーレイ演じる主人公は「俺は自由人。家族なんて煩わしいだけ」というのが信条のプレイボーイ。そんな彼も「あなたの息子が19歳になります」という差出人不明の手紙を受け取ると、大いに心を揺さぶられてしまいます。彼の人生哲学に反するので認めませんが、正直「家族が欲しい。息子がいるのならぜひ会ってみたい」という思いは否定できないのでしょう。

そんな彼が「無意味だ」、「茶番だ」とブツブツ文句を言いながらも、おせっかいな隣人が作成した「昔のガールフレンド(=母親?)探訪の旅」のプランを粛々と実行していく様は実に微笑ましい。
そして最初に訪問したシャロン・ストーン(寝顔が凄かった!)こそ歓迎してくれたものの、その後の女たちには段々と加速度的に冷ややかな扱いを受けるところには、ほろ苦くもつい笑ってしまいました。

映画の結末には結構ブーイングも出ているようですが、ジャームッシュが"未だ見ぬ息子とついに出逢って抱擁、そして涙、涙.."みたいな映画を撮るはずないですよね。私は言葉とはうらはらに、「過去は忘れて今を生きる」ことなどできようもない男の悲哀さが凝縮されていて、秀抜なエンディングだと思いました。

あと素っ頓狂なエチオピアのBGMが妙に耳に残ってしまいました。
by coolkoro | 2006-05-09 23:15 | 劇場鑑賞
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