「マグダレンの祈り」 "The Magdalene Sisters"
    2004年 08月 04日
DVD鑑賞

b0004063_2343584.jpg1996年までアイルランドに実在したカトリック修道院の内実を告発した作品。
全体の印象としては「17歳のカルテ」をより陰惨にした感じだが、ここで少女たちを指導する立場にあるシスターたちの冷酷非道ぶりは尋常でない。少女たちは牢獄の囚人以下の扱いを受け続けながら、これに対する一切の抗弁は許されない。この映画には「17歳..」でのアンジェリーナ・ジョリーが登場する余地はまったく無いのだ。
恐ろしいのは修道院の中だけではない。カトリックの古い倫理に縛られたコミュニティの中で、多くの大人が些細な理由をつけては罪のない少女たちを修道院へ送り込む様は、さながら中世の魔女狩りを思わせる。
悲惨な話としか言いようがないが、(エンディングで語られる)修道院から抜け出した3人のその後の人生にはようやくホッとさせられる。

これまでにも「ザ・コミットメンツ」などアイルランドを舞台にした映画は少なくないが、それらを通して私は「怒りっぽいが純朴で愉快な奴ら」というようなアイルランド人観を何となく持っていた。しかし、この映画を観てそんな印象はだいぶ揺らいでしまった。その意味でもショッキングな作品だ。