ふたりの5つの分かれ路  "5×2"
    2005年 09月 23日
【シネテリエ天神】
b0004063_22531725.jpg注目株フランソワ・オゾン監督の新作ですが、自分としては6月に横浜フランス映画祭で観た「マリスコス・ビーチ」ですっかりファンになったヴァレリア・ブルーニ・テデスキがお目当てで観た映画です。
それが冒頭のエピソードでどうにも彼女が老け込んで見えるのにびっくり。撮影は「マリスコス..」より前のはずなのに。たぶん不毛な結婚生活で憔悴しきった妻を演じる上での役作りだったんでしょう。幸い、その後のシーンではそれなりに若く見えましたから。

最初のエピソードから時間を遡ってストーリーが語られていくという手法はあの「メメント」の成功以来、今では特に珍しいものではないし、この映画のラストシーンも「アレックス」や「ペパーミント・キャンディー」のそれを想起させるものでした。今回の映画で独自性がみられるのは、各エピソード間の連続性や因果関係があまり明確でない点だと思います。映画はある夫婦の別離で始まりますが、結婚生活が破綻に至った理由は最後まで描かれません。(それを暗示するシーンはあちこちに挿入されていますが) 観客は必然的に映画で描かれていない「行間」を読み取ろうと想像をめぐらせることになります。このあたり少々意地が悪いというか、いかにもオゾンらしい一筋縄でゆかない恋愛ドラマだという気がしますね。

夫婦といえども結局は他人どうし、お互いを完全に理解しあうのは不可能。まずその事実を受け入れないと関係は永く維持できないよ..というのが私なりに汲み取ったテーマなんですが、これってこの後に観た「ある朝スウプは」との共通性をすごく感じます。

ふたりの5つの分かれ路@映画生活
by coolkoro | 2005-09-23 22:35 | 劇場鑑賞