キングダム・オブ・ヘブン "Kingdom of Heaven"
    2005年 05月 19日
【T-Joy久留米】
b0004063_033370.jpgエルサレムをめぐる攻防を描いた作品と聞いて、「十字軍がイスラム勢を蹴散らして、それを観ているアメリカ人が溜飲を下げるような映画なんだろう」と想像していたんですが、これが全くさにあらず。
サラセン帝国の王サラディンは戦場では容赦ない猛将でありながら、同時に高潔で開明的な君主でもある。非常に魅力的な人物として描かれています。一方で十字軍の方はと言えば、オーランド・ブルーム演じる主人公など一部の例外を除くと、権力欲、征服欲ばかりが旺盛な、ほとんど野蛮人揃いといった風情。昨今のご時世を考えると、よくハリウッドがこんな作品を作ったもんだな..と感心してしまいました。

なかなか見応えのある大作で、最近ちょっとしたブームの感がある歴史物の中でも頭ひとつ抜きん出ている作品だと思いますが、玉に瑕なのが主人公のオーリー。さんざん言われてるように、やっぱり線の細さは否めません。「ロード・オブ・ザ・リング」の時のようなポジションだと適役なんですが、こうした超大作の主役を張るには正直なところ役不足でしょう。特に今回は周りが揃いも揃って強烈キャラばかり。リーアム・ニーソン、ジェレミー・アイアンズにエドワード・ノートン(まったく素顔を晒さずにあの存在感を出せるのはさすが!)、サラディン役のシリア人役者も凄い貫禄..濃ゆい、あまりにも濃すぎる面々ですよね。これじゃオーリー、埋もれちゃいます。彼らに対抗するには、「グラディエーター」のラッセル・クロウぐらいのアクの強さが欲しいところでしたが。

あと、この主人公は実在の人物なんですが、「自分の出生の秘密を知らず、平凡な鍛冶屋として生きてきた」という設定は映画の創作です。しかし、この設定はちょっと無理がありすぎ。彼は初体験の戦争でありながら、百戦錬磨のサラディン率いる大軍を巧みな戦術で翻弄します。しかし、元鍛冶屋はいつどこでそんな戦術を学んだんでしょうか?

キングダム・オブ・ヘブン@映画生活
by coolkoro | 2005-05-19 23:49 | 劇場鑑賞
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