海を飛ぶ夢 "Mar adentro"
    2005年 04月 17日
【ソラリアシネマ】
b0004063_22582212.jpg「人間の死」をテーマの中心に据えていますが、逆説的に「生きることの素晴らしさ」を描き出している作品でもあります。シリアスな内容ながら、アメナーバル監督の躍動感さえ感じさせる力強い演出は、この種の映画に付き物の重さ・暗さを極力感じさせないものにしています。

ただショックだったのは、主人公ラモンが残した最後のメッセージ。「寝たきりの生活となったこの20数年間、楽しいことなど一度として無かった..」 私たち観客は映画で描かれるラモンと他の登場人物たちとの出逢いや交流に何度も感動させられるのですが、そのような出来事も含めて「楽しいことなど皆無だった」と彼は言い切るのです。ラモンは四肢麻痺の体でありながら多くの素晴らしい詩を創作しているように、知的で行動力を備えた人物。そんな彼にとって、自分の意思では一切の身動きもできないという障害は、やはり想像を絶する苦しみだったのですね。そんな「地獄のような毎日」の中では、第三者から見れば感動的な出来事の数々もたやすく埋没してしまう..ということなのでしょうか?

ちょっとばかりケルト風な音楽も印象的。と思ってたら、この音楽もアメナーバルの手によるものなんですね。何とも多才な人です。

海を飛ぶ夢@映画生活
by coolkoro | 2005-04-17 22:59 | 劇場鑑賞