ネバーランド  "Finding Neverland"
    2005年 01月 17日
Tジョイ久留米

b0004063_20161350.jpg万人向きの佳作だと思います。
強引に観客を泣かせようという意図がミエミエの作品が最近目につきますが、その点、この映画の抑えた演出で静かに感動を盛り上げようという姿勢は大いに好感が持てます。

しかし、「ピーターパン」初演の際、25人もの子どもたちを観客に交じらせたというのは巧いアイデアですね。当時の演劇界において「ピーターパン」は相当に奇抜な発想の作品だったはずだし、果たして観客に受け入れられるかどうか判断は難しかったでしょう。実際、舞台の幕が開いて着ぐるみの犬が登場した途端、鼻白む表情をみせた観客が何人もいましたし。子どもたちの素直な反応を触媒として、大人の観客たちが「ピーターパン」の世界へ引き込まれていく様子を、映画は実にわかりやすく描いていました。

映画の途中まで、バリの奥さんの描き方が冷淡な気がして少し引っかかったんですが、終盤の「初演には必ず立ち会うことにしてるの」と別れた夫を訪ねるシーンで救われる思いがしました。そして彼女の「私もネバーランドに連れて行ってほしかった」という言葉はずいぶん悲痛に響きます。夢見ること、想像の翼を広げることの大切さをテーマの中心に据える一方で、こうした現実の苦さもきちんと描いている点がこの映画の奥深さを感じさせるところでしょう。

個人的に嬉しい驚きだったのが、劇中劇でピーターパンを演じていたのがケリー・マクドナルドだったこと。彼女、「トレインスポッティング」以来、ずっと気になっている女優の一人なんです。イギリスでは彼女の主演作も何本か撮られているようですが、まったく日本では公開されません。調べたらAMAZON.CO.UKを通してDVDが入手可能なようなので、どうしようか思案中です。
by coolkoro | 2005-01-17 19:29 | 劇場鑑賞