イブラヒムおじさんとコーランの花たち  "Monsieur Ibrahim Et Les Fleurs Du Coran"
    2004年 12月 12日
KBCシネマ1・2

b0004063_2028575.jpg孤独な少年と心優しき老人の交流をほのぼのと描いた作品で、話としてはありがちなんですが、この映画で異彩を放っているのは、60年代のパリ下町を再現した猥雑な描写と全編に流れるフレンチ・ポップスで、これらの彩りが暗くなりがちなストーリーをずいぶん救っていると思います。
それとオマー・シャリフの存在感はやはり圧倒的ですね。
彼の腹の底からこみあげてくるような、溢れんばかりの笑顔は忘れがたい印象を残します。

ちょっと残念なのは、タイトルに「コーランの花たち」と謳っている割にコーランの教義について具体的な言及がなく、またストーリーにも絡まないことです。「私にはコーランの教えがある(だから幸福だ)」だとか「人生に必要なことは全てコーランに載っている」という抽象的な台詞は出てくるのですが...
異国の地で寂しい暮らしをしていても超然として笑顔を絶やさない老人の姿には胸を打たれますが、ではコーランのどのような教えがそんな彼の拠り所となっているのか? またどのような教えが孤独なユダヤ人少年をも癒したのか?この辺りの描写があれば、より説得力ある作品になった気がします。

イブラヒムおじさんとコーランの花たち@映画生活
by coolkoro | 2004-12-12 20:21 | 劇場鑑賞