「ラマン」
    2004年 08月 27日
※湯布院映画祭、特別試写作品

「ラマン」_b0004063_21203957.jpg去年「ヴァイブレータ」で好評を博した廣木隆一監督の新作。

17歳の誕生日を迎えた女子高生(安藤希)が、18歳になるまでの1年間、3人の男たち(田口トモロヲ、村上淳、大杉漣)の愛人となる契約を交わす..というのが物語の発端。
人生に絶望した少女が男たちとの交流を通していつしか生きていく希望を見出していく、というのが大まかな筋書きらしい?が、残念ながら作品を観た後でこの話に説得力を感じることはできなかった。
ヒロインは徹底的にクールな性格で、感情の起伏を露にすることがほとんどないのだが、これは映画の終盤まで一貫して変わらない。だから最後に生きる目的を掴むまでの、彼女の内面の変化がなかなか伝わってこないのだ。
またそうした主人公の変化がわかりにくいために、描かれた1年間という時間の長さも映画ではあまり実感することができない。

この映画は登場人物の過去や背景を明確に描いていない。「なぜ少女は人生に絶望していたのか」、「3人の男たちはどのような繋がりがあるのか」、「どのようないきさつで契約は交わされたのか」 すべて明らかにされないが、これらの謎を解く手がかりとなる描写はあちこちに挿入されている。この辺りをどう解釈するかで、この映画の見方はずいぶん変わってくるだろう。

なお上映後に廣木隆一監督、主演の安藤希を交えてティーチインが行われた。
   
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